2017年4月15日土曜日

最後の直線コース

フランスの大統領選、世論調査が当てにならないと言いながら毎日動向が報道され、まさに「競馬の実況中継」のようになってきた。というのは本命と思われた極右ルペンと中道マクロンが徐々に落ち、大穴の極左メランションが社会党アモン、それに共和党フィヨンも抜いて急上昇、3位につけ、4人が18〜22%ぐらいで差が半馬身もないような状況になってきたから。(3/30投稿これが…だったなら」参考)

私の応援していたアモン君は一桁台となり、「何が失敗だったか」ということでしか話題にならなくなる始末。ある人が「アモンは敵と競争相手を間違えた」と言っていた。この人によれば「敵」よりも「競争相手」を攻撃してつぶさねばならないということで、、、こういう「策略」に功があるかどうか知らないが、他の3人からのメランション叩きが急に活性化した今もアモン君は律儀な人で「メランションが決選投票に行けば応援する」と言っている。

私が面白いと思っているのは、社会党の幹部がマクロン支持を表明して以来彼への追い風が止まってしまったこと。オランド大統領は今でもアモン支持を表明しないのは「心中はマクロン支持だ」と解釈されるが、これもマクロンの不調原因ではと思う。つまり社会党内閣の政治家と支持層は想像以上にずーっと大きくズレている。

それから政治家の道義にもとる「家族架空雇用」の疑惑で消えて当然と私は思うフィヨンが意外に強い。というのも今となっては組閣が見えるような政党支持基盤のある候補者が4人中彼しかいないので、大統領選のあとの国会選挙でどうなってしまうのだろうとの不安を吸い上げている。フィヨンは超保守的な政策で予備選挙を勝ち、その後スキャンダルのお陰で(?)で政策の懐柔をする必要もなく頑で誰にも耳を貸さないという態度があらわになっている。私はこの人が政権を取るのが一番怖い。

丹念に落書きされたマクロンのポスター
またまた私が書いても仕方がないことを書き並べてしまったが、「お前は大統領選が好きなのか」と自問してみると、面白いのだけど到底好きではなさそう。というのも私は威勢のいい演説が嫌いで、、、。それは言葉が後で守られないということもあるが、「そのなかで保持しているのは語彙の動きと音楽とだけであって、語彙の真実ではない」という某知識人の言葉を思い出させるから。但しこれは政治演説ではなく詩に関する評論で、私はそれでフランス語の詩がわからないのだ(意味に捕われすぎるので)と納得しているのだが、周りでファンが多い、ヴィクトル・ユーゴの詩を引用してヒューマニズムを高揚させるメランションの演説にも気が入らないのは私の仏語感のせいか体質か?

しかしこんなこと本当に私が論じても仕方がないですねぇ〜。かつ現実には「当てにならない世論調査」が逆説的にますます大きなキーになってきていて、、、。

自省のもと、これを最後の大統領選へのコメントとして、来週の第一次選はおろか5月7日の新大統領誕生以降までこの話題はお預けにします。

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