2015年6月26日金曜日

Abadachoeur と Toujours la même

Note : Les deux groupes que j'ai confondus dans l'article précédent se produiront après-demain le dimanche 28 juin dans le cadre du Festival Voix sur Berges : 
18h00 Abadachoeur  (77 quai de Valmy) 
19h20 Toujours la même (20 rue des Vinaigriers)

既に前回の投稿に赤字で「注意書き」を入れたが、写真とビデオで紹介したコーラスバンドは "Toujours la même"という名のグループだった。
実は昨日 Abadachoeur のサイトに書いてあったパリの中心レアールのアーケード下のコンサートに出かけたのである。「海水デッサンは?」というと天気予報では来週はそれこそ「猛暑」到来で、かなり余裕なのです。それに今のところ結晶の出来方が私の経験則と違って戸惑っているところで、、、

さてコンサートの方だが、メンバーが違う。 私の質問に「Abadachoeurには色々なグループがありますよ〜。でもギターやアコーデオンを使うことはないわね」とのことで「う〜む」。これもなかなかのコーラスグループで「スターウォーズ」のアカペラ版などを披露したが、アーケードの上の一住人がもう1曲目で文句を言いに来て驚いていたら、その後パトカーが到着。住民の文句は「騒音」であったが、基本的には、素人で金銭目当てでなくても集まってコンサートなどを許可なくする権利はないのである。(実際私も大昔「キス集め」を禁止されたことがある)
そして家に帰って来たらAbadachoeurの先生から「これは "Toujours la même" ですよ」というメールが入っていた。今回は間違えない。サイトで顔ぶれも曲も一致。既に書いたがこのグループはプロアマ混合部隊で、こちらの方がやっぱりコミカル、曲はすべてオリジナルとのこと。

明後日の日曜日の午後ににサン・マルタン運河沿岸で Festival voix sur berges (岸のボーカルフェスティバル)というのがあり、両グループとも登場する。
 
"Toujours la même"は19時20分から(20 rue des Vinaigriers)

Abadachoeur "は18時から(77 quai de Valmy)

前回のヴィデオは"Toujours la même"(=いつも同じでした

こちらがAbadachoeur "

2015年6月23日火曜日

フェット・ドゥ・ラ・ミュージック Faites de la Musique

(日本語は下)
Cette année, j’ai découvert un groupe d'amateurs de chœur formidable à la Fête de la Musique à Montmartre. Vous voyez comment ils chantent avec expression et une chorégraphie humoristique. De plus, les arrangements de la musique pour a capella sont originaux, peut-être certains chants aussi.

C’est le résultat d'un véritable travail, où j’ai retrouvé pour la première fois depuis des années le vrai esprit de « Faites la Musique » !

Comme plusieurs groupes se sont produits dans la rue du Mont Cenis, je n’en suis pas sûr à 100%, mais ce devait être le groupe Abadachœur. Il s’agit d'un groupe d’amateurs dirigés par un chef de chœur professionnel. Selon leur site, ils feront encore 4 concerts cette semaine !  Donc, je pourrais aller vérifier. Cela me fera plaisir de les écouter à nouveau. Mais, il me faudra également faire des dessins à l’eau de mer, si le temps est aussi beau et chaud que prévu…
Vous trouverez ici la vidéo prise par une amie. Il ne s’agit pas d'un montage des meilleurs moments. C’est juste le résultat de coupes des fous rires d’une autre amie.  

 (P.S. daté du 26/06/15 : En fait je me suis trompé ! Il s'agit du groupe "Toujours la même", qui est un mélangé de professionnels et d'amateurs.  Malgré cela, je conserve l'article initial ci-dessus, parce que mon propos reste presque le même.)

 
Fête la Musique(音楽の祭)というのはミテッラン大統領時代の名物文化大臣ジャック・ラングが1982年以来「夏至」を「音楽を楽しむ日」とした。最近は日本でもあるらしい参考
勿論大きな野外コンサートなども企画されるが、Fête de la Musique は Faites de la Musique(音楽しなさい)と語呂が合わせで、この日は「誰もが通りに出て音楽をしよう」というのが基本理念だったと思う。だから80年代は素人のおじさんが通りでアコーデオンを弾いていたり子供が練習曲を弾いていたり、微笑ましいものが多かったが、最近はエレクトリックサウンドが全盛になって、特に大通りのカフェはロックグループやDJなどが軒を連ねてアンプでガンガンと音の喧嘩でもするように喚き立てるのが多くなり、わざわざ何かを見に出ることはついついなくなっていた。

それが今年は何度もすっぽかした知り合いのジャズバンドがモンマルトルのカフェで演奏することになり、ちょっと遠出になるので、友達を誘った手前もありその近辺のプログラムをチェックして出かけた。

一応マークをしておいたサクレ・クール寺院裏側のコーラスグループが登場する小さな広場。行ってびっくり、20人を越えるおじさんおばさん達が表情豊かにおかしな歌をコミカルな演出を交えて歌っている。どうみてもすごい練習の成果。かつアレンジは勿論、おそらく多くの歌もオリジナルかもしれない。これこそ「フェット・ドゥ・ラ・ミュージック」の精神と久々に感動致しました。この広場では色々なグループが登場することになっていたので100%確かではないがおそらく次のリンクのAbadachoeurというグループで、プロの声楽の先生が素人を集めて指導。子供の教室もあればもっと現代音楽的なプログラムもあるようで、ちょうど学期末だからか今週4回もコンサート予定がある!追っかけしようかしら(グループ確認の為にも) でも天気予報ではまた「海水デッサン日和」到来で、、、

連れの一人がビデオも撮ったのでここに掲載。でもこれがベストなシーンでわけでは全くなく、単純に友達の一人の大笑いが入りすぎていたのでそれをカットした結果に過ぎません。 
しかしこういうことを指導できる先生がいて、こんな楽しそうに人前で歌う素人のおじさんおばさんがいる:最近文庫本になった 飛幡祐規さんの本の題名ではないが、私にとってはこれこそがまさに「それでも住みたいフランス」ですね ♫

(6月26日付追記:グループ間違っていました!"Toujours la même"というプロアマ混合コーラスグループのようです。まあ趣旨はほぼ変わらないので以上の投稿そのままにさせてもらいます)




2015年6月17日水曜日

落書きおじさん、ズーイ

「お恵みを」で下に賽銭用の帽子が
ズーイ・ミルシュタイン Zwy Milshtein、1934年ルーマニア生まれのユダヤ人(生まれたモルダヴァ地方はその後ソビエト領となりイスラエルに移住するからこの言い方がぴったりする。国籍は今はフランスだろう)。父はソビエトに捕われシベリア送り、残された母と戦火を避け黒海沿岸諸国を彷徨う時代の悲惨な子供時代が彼の絵の背景にある(というかそれしかないのかもしれない)。

 80歳の今でも元気旺盛に巨大な絵を描き、その絵は人で充満している。特に顔、顔、顔の連続。それらはラフに筆使いでサッサと描かれ、キャンバスには宴会の後のワインや食べ物が汚したテーブルクロスの様に絵の具がぶちまけられている(その種の物が貼ってあったりもする)。もうぐちゃぐちゃ描きまくる。これは僕が初めて会った時から全く変わっていない。「作品の初めは瞬間的な印象だけでそれ以外頭の中には何もない」と語っているが、彼はきっと描き出したらもう止まらない。つまり彼は落書きおじ(い)さん。本人も昔のニューヨークの落書きが好きだったようで、よくうつろな人々に混じってミッキーマウスのようなものも登場する。良く出てくる「目玉焼き」は赤貧時代の象徴らしい。落書きおじさんと言ってもキース・ハーリングなどの落書き兄さんとは違ってまったく溌剌とはしていないが、、、。
写真の男性がミルシュタイン氏

そのズーイに知り合ったのはもう30年ほど前。
私がパリで今のような生活をするようになったのは、パリ市のアトリエでリト(石版画)を習い始めたのがきっかけだが(参考:旧ブログ、写真画像を転写したいと先生のジャックリーヌに言ったところ、オペラ座近くのミルシュタインのアトリエを紹介された。彼は自分のアトリエの半分を「市の版画教室」とし、先生をしていた。だが実際は、簡単な説明をされたぐらいで彼に何か教えてもらった記憶はない。アシスタントの女性もいたが、いないことも多く、かつ生徒は私ぐらいしかいなかったような気がする(まあここでも。授業時間内に限るが、やりたい放題させてもらった)。アトリエは「教室」の雰囲気はなく、人のプライベートな空間に入り込んでいるようで、、、。作品を見てもキレイにアトリエを整頓するタイプでないことはあきらかだろうが、そこには彼の絵やデッサンが一杯散らかっていて、彼自ら作品数の多さに驚いていたことがあった。僕はその「先生」の絵を結構気に入っていたのだが「色が濁って売れなさそう」と思っていた。しかし豈図らんや、その頃から彼はすでにまあまあ有名な作家で、ユダヤ人脈もあるからか結構「売れっ子」だった。今思うと小さいキャンバスの一枚や二枚簡単に失敬できたなぁ〜。

お客さんが来たりするとワインを一緒に飲ませてくれて、ボソボソとおかしな話をきかせてくれた。「大きな版画をコンクールに送るのに梱包できなくて折って送ったら賞をもらった。審査員は折り目があるのがすごいと思ったに違いない」とかいうのは、確かに版画は図版以外は一つの汚点も許さない超潔癖性な世界だからそんな人はいない。「大胆というか無茶苦茶だなー」と思ったので今でも覚えている。

展示作品の一つ。右上はブルゴーニュの家かも
そんな「教室」だったからじきに店じまい、というか制作旺盛な彼にはアトリエが狭くなったので引っ越してしまった。その後も時々偶然出会って、彼は私の記憶などないだろうが、話をするとアトリエに連れ行ってくれたり。10年ぐらい前かな、レパブリック広場近くの巨大なアトリエには大きなインクジェットプリンターがあって、それを使った連作を制作していた。ただただ現れてくるイメージを描きまくっているようだが、その一方でテクノロジーも好きなのだ。でもコンピューターを使ったからといってきれいなイメージが作られるかと思うと、それは全くなく、いつもの人、人、人の混沌とした世界が出来上がる。
今はブルゴーニュの田舎にアトリエがあるそうだ。

Claire Corcia 画廊(パリ三区)のページには絵の写真も充実していますのでご参考に。7月17日まで。(画廊は地下に大きなスペースがあります)

Note : Exposition de Zwy Milshtein à la Galerie Claire Corcia (Paris 3e), jusqu'au 17 juillet.  (La galerie pocède un grand espace au sous-sol)

2015年6月15日月曜日

美術の Sens

説明上手の作家自らのガイドツアー
特産エスカルゴならぬ発掘された古代の貝殻
これは兵馬俑にみたてた中国製の西洋小人ですって
青銅の鉾と並んだ飛行機ナイフ
自分が展覧会をしている一方で最近は色々なものを見た。実は風邪を引いて、2日間は寝て療養していたが、咳・鼻づまりに悩まされる以外はそれほどどうということはないのだが、制作に腰が入らないから、「こんないい天気で海水デッサンしないなんて、、、」と思いつつもぶらぶらと。

特に土曜日はパリから南、のどかな丘陵の広がるブルゴーニュ地方の入り口のサンス(Sens)市まで「美術ブロガー」として出張(特別バスで連れて行ってもいました)! 
以前「ゴムボートに乗る消費文化」と題したアルノー・コーエン(Arnaud Cohen) 君が、サンス美術館(Musée de Sens)にて、特別インスタレーションと「回顧展」的に昔からの作品を通常の歴史博物館的展示物のなかに混ぜて発表中。私の「キャビネ ドゥ キュリオジテ」論などを読んで下さっている読者には「ああ、最近流行の手法ですねー」と頷いてもらえることだろう。アルノー君は奇怪なミュータントを思わせる作品を多く作っていて、そこには身体性、ジェンダーの問題、それに社会性と歴史、加えて個人史、はたまた呪術性などが含まれており、一作品の中でもリフェランスが一杯。だから説明を聴くのは楽しいことだが、それで「なるほどガッテン」しないのが私のへそ曲がりなところで、、、だって美術ってそこから始まるのでしょ? つまり作品の持つ単語はわかったけれど全体が散文にすぎないのか詩になっているのか? that's the question.
大聖堂に付随したこの美術館(むしろ博物館)の中にある「聖遺物」やただの発掘品などが、そんな解釈(意味付け)を不必要なレベルで意外に美術的に訴えてくるのはどういうことなのだろう? アルノー君のお陰でまたまたそんなことを考える機会になりました。

つまり私の興味はそんなところで、おそらくこの展覧会の意図とはかなりずれがありそう。彼の作品は文字通り「現代アート」の文法(手法)をキレイにさらっているので、学生さんや現代アート作家志望の人にはお薦めかな
古代遺跡に見なされた自宅の工事現場

私は複雑すぎるインスタレーション作品(概してリフェランスが多すぎると思う)より、自分の家の建築の為に土地を掘り起こしたところでてきたナイフ(実は昔のナイフ工場跡がだった)を古代文明の遺跡のように見立てて解説するビデオとか、「飛行機ナイフ」のようにわざわざ9.11を含蓄しているという解説など読まなくてもスパッと分かる作品の方が断然好み。
ナイフと言えば「キャビネ…論」で触れた「世界の劇場」展ではクネリス(ウィキ)の金魚の泳ぐ洗面器に包丁を突っ込んだ作品にショックを受けたし(「写真入りで書いていると思っていたので、今見て、ないのが不思議)、最近の「毎日のデッサン」では「マーラの死」(女性に短刀で刺された)が続いたし、どうも私はナイフ好きのようだ)

私が思っていた以上にずーっと有名だったアルノー君のこの大規模な個展は9月20日まで。infoはコチラ
ミュータントの一例

(付記:大インスタレーションの写真はサイトから拝借しようと思っていたのだがなかった)
ボロ切れからなる「正真正銘の聖遺品」


ちなみに表題は、市の名サンスに名詞sens(=意味)をかけた駄洒落でございます


Note: exposition "Arnaud Cohen : Rémissio" au Musée de Sens, jusqu'au 20 septembre



2015年6月14日日曜日

銀行での展覧会

銀行での展覧会のオープニング光景です。「銀行のお得意さんが来るから」ということで
オープニングの日取りが延期されたのだが、ほんとうに来たのかしら?

Voici les photos du vernissage de l’exposition dans la banque sur laquelle  j'ai écrit dans l’article précédent.
La date du vernissage a été modifiée pour la raison que quelques clients importants viendraient. Est-ce qu’ils sont venus ?  
 


    
銀行の来客許容人数が200人、銀行、仲介のアジャンス、そして展示アーティストが4人だから、「作家一人の招待できる人は25〜30人だねー」と話していたので結構案内を限定させてもらったのだが、結果は何てことはない、ドタキャンする人が一杯いて、会場面積にしては人が少なかった。こんなことならなかなかシャンペンで乾杯出来ない友達を大勢誘ったら良かったと後悔しております。

J’ai délimité le nombre d’invitations à cause de ces VIP de la banque et de la capacité de réception du bureau. Finalement il n'y avait pas beaucoup de monde par rapport à l'espace assez spacieux. 
Je regrette donc de ne pas avoir invité les amis qui ne savent pas trinquer au champagne aussi souvent…

2015年6月7日日曜日

パッションより本職

前回は「アルノー氏のパッションは美術でなくて金儲けでしょう」ということを書いたつもりだったが(伝わっているかしら?でも私は金儲けがパッションであることを糾弾するつもりはありません。ただ美術を金儲けの種することに「集団詐欺」の疑惑を感じる。しかしこれは今回のテーマではなくまた別の機会に)、実はその私がパリの超ハイクラスなゾーン、ヴィトンの店もある、ションゼリゼからセーヌの方に下るジョルジュ・サンク大通りの銀行でグループ展(4人展)をすることになっていて、今週は私には珍しく忙しい1週間だった。(「忙しい」のはまっぴらご免、それに関しての昔の投稿

先ずは月曜日に作品搬入。火曜日に飾り付け、水曜日に一部を作品入れ替え、それに伴いアレンジ変更。簡単思えるだろうが事務所での展示は複雑。搬入ですら正面のセキュリティの2重扉を通して運び入れねばならない。だから写真のように作品が銀行前に並び重ねられた(天気が良かったのは何より。それに火曜日だったらスペイン王のパリ来訪でこんなことは許されなかったかも:スペイン大使館は一つ向こうの大通りにあるのです。というわけでラッキーな日程選びだった)。
オフィス内は画廊のような白壁でないし、デスク、照明、棚、スクリーンなどがあり、頭の中で考えていた展示では現場では必ずしもしっくりせず、考え直し。企画の人が「ランチしましょう」と言うのでつきあい、戻ってみたら、私の飾る二部屋は来客中でドアは閉ざされ、、、仕事の邪魔は出来ない、つまりランチタイムに飾り付けをするべきだったのだ。

仕事しやすいかしら?
「一足早い夏」の結晶、写真でもくっきり!
そして制作:金曜日は全くの異常気象でパリでも最高気温が30度を上回ると予報されていたので、私は板に大きな紙を貼ってスタンバイ。土日は気温が下がったといえど夏の気候で、三日間一挙に気になっていた懸案をトライした。雨もずっと降っていないし流石に30度だと結晶の仕方が全然違って、「すごい!」と久しぶりに自ら感嘆(でもデッサンとしての結果は思ったようにいかなかったけれど、それは致し方なし )。勿論制作の合間には作品リストとか招待状とか(これも銀行事務所だから、私一人で50人も友達を呼んだら大変なことになるので慎重に、、、で簡単に行かないのです)色々やることがありまして、私の「隠れたパッション」のブログにまで至らなかった。アルノー氏同様(?)「パッションより本職」の瞬く間の1週間でした。