2015年5月13日水曜日

愚痴の本論

  昨日は舞台の紹介のつもりが「席選び」の愚痴になってしまった感があるが、そもそも「業界の人々」は「悪い席」を買った人のことは一顧だにしていないのではという疑念が私にはある。というのは「演劇関係者」とか「ジャーナリスト」がもらう招待券というのはとんでもなく良い席で、かつ普通は「お二人」招待。ここが日本と違ってフランスの素晴らしいところなのだが、劇のみならず展覧会でも、「仕事」とはいえご同伴が当然と言うことで、招待券は普通二人用となる! 私は80年代こうした招待券がもらえるお友達がいて、そのお陰で色々な現代ダンスを見させてもらった。今更ながら感謝観劇(笑)

そうしたお友達のいない現在、私が劇場に行く時は席を慎重に吟味、特に座席に価格差のある時は一層コストパーフォーマンスを検討し、「一応許せる」が当日には開幕寸前の空席移動にて「グレードアップ」を虎視眈々と狙える「戦略的座席」を選ぶのである。だからこんな優雅な観劇とはつゆつゆ言えぬ努力をして行った劇場で、特待席に座る関係者のお友達(お二人)にばったりあったりすると何ともいえない切なさを感じる。

映画「天井桟敷の人々」より
昔の催しは「王様」のためだから「ロワイヤルボックス」向けで良かったかもしれないが、今でもある意味特等席の評論家 ・ジャーナリスト向けで、彼らは特等席で見たものを評論する。勿論演劇の質を評価するには「良い席」で見なければ一昨日の私の様になってしまう。でも実際に何十ユーロを財布から出して見に行くのは私たちですからね。悪い席の人にももう少し注意を払ってもらいたい、関係者の人にも「こういう席から見るとこれしか見えない」と言うのを知ってもらいたいというのが「私の愚痴」の本論です。

この点古いオペラ座とかは、「天井桟敷」や「端っこの席」はただ同然(=オペラ座の参観料と思えば良い)というのは逆に理にかなっている。「古典モノ通」でもない私が利用するのはいつもそんな席です。
結局 「愚痴の本論」とはいえ愚痴にすぎませんでした。ご容赦下さい。

0 件のコメント:

コメントを投稿